DFBポカールの一回戦も始まり、まもなくブンデスリーガの新シーズンが始まるというところまで来ました。私自身は大学の前期がようやく終わり、約2ケ月の夏休みに入ったところです。これで心置きなくブンデスリーガの試合を見れると、もう興奮が止まらないです。ところで、余談なんですけど、RBライプツィヒのKevin Kamplの髪型めっちゃイケてないですか?最近、KamplとかリヴァプールのHarvey Elliottの髪型を真似したいと思って、絶賛髪伸ばし中です。まあ、余計な話はここまでにして、さっそくこの試合の内容に入っていきたいと思う。まず、結果から言うと、RBライプツィヒがSVザントハウゼンに4-0で勝利しました。[得点者 20:Willi Orban, 45:Amadou Haidara, 60:Christopher Nkunku, 81:Dominik Szoboszlai] 前半終了時のスタッツでRBライプツィヒの支配率が70%に達していたことからわかるように、RBライプツィヒが押し込む展開となりました。それでは、両チームのスターティングメンバ―を見ていきましょう。


RBライプツィヒは昨シーズンまで監督を務めていたJulian Nagelsmannがバイエルン・ミュンヘンへ、主力として活躍していたDayot Upamecanoが同じくバイエルン・ミュンヘンへ、そして、その相方のIbrahima Konateがリヴァプールへ移籍してしまったため、Jessi Marsh監督体制での公式戦1試合目となった。スタメンを見ればわかるが、フランクフルトで昨シーズン大活躍したAndre Silvaが抜擢されている。また、センターバックにも退団した2人のセンターバックの代わりに新加入のMohamed Simakanが抜擢された。SVザントハウゼンに関しては1部リーグに所属するクラブではないので、あまり情報はなかったが、左ウイングのChima Okorojiはこれからが楽しみな選手だと思った。RBライプツィヒは4-2-3-1のシステムで、昨シーズンと同様に両サイドバックは攻撃時に非常に高い位置取りをしていた。ボランチの2人は、Kamplが主に攻撃時に前線に上がったり、センターバックの間に入って、ビルドアップのサポートをしており、Tyler Adamsは主に守備面でのサポートや中盤での潰し役を担っていた。両サイドハーフのNkunkuとForsbergは、DFラインの選手たちがボールを持った時や、KamplやAdamsがパスの選択肢に困った時に下がって、ビルドアップのサポートに入る。これだとポゼッションサッカーのように思えるが、中盤でのプレスによる即時奪還は健在であり、前任のNagelsmannのスタイルを上手く引き継いだように印象を受けた。一方、SVザントハウゼンはRBライプツィヒの中央の密度が高いため、サイドからの攻撃を余儀なくされたような印象を受けた。しかし、RBライプツィヒは相手の両ウイングが上がった裏のスペースを狙っているようなプレーを序盤で見せたため、SVザントハウゼンの両ウイングが積極的に上がれなくなってしまった。この試合では、RBライプツィヒが全てにおいて何枚も上手であったと言える。それでは、まず前半の話からしていきます。
試合開始直後は、たいていどのチームを前線から激しいプレスを実行し、力の差が出にくいところではあるが、この試合の場合は最初の数分間だけであった。さすがにRBライプツィヒとSVザントハウゼンでは力の差があり、徐々にRBライプツィヒのポゼッションが増え、試合をコントロールする場面が多く見られるようになりました。一方、SVザントハウゼンは両サイドでのコンビネーションによる突破や裏抜けを狙って、積極的に攻めるようにも思われましたが、その攻撃もRBライプツィヒのサイド裏へのロングパスによって制限されてしまいました(図1)。その結果、SVザントハウゼンの右サイドでの攻撃は激減し、攻撃の大半が左サイドのOkorojiを中心に行われるようになりました。Okorojiはフリーキックのキッカーを務めるほどの技術を持っていると同時に、スピードと突破力も持ち合わせている選手であるため、試合を通してRBライプツィヒの脅威となった唯一の選手と言える。RBライプツィヒはSVザントハウゼンがプレスラインを形成して対応するため、パスコースを見つけにくい状況ではあったが、ここではKampl、Nkunku, Forsbergが非常に良い働きを見せた。まず、Kamplが両センターバックの間へ入り、サイドバックを高い位置へ移動させる。それと同時に、ボールサイドのNukunkuとForsbergのどちらかがKamplが空けたスペースへ入り、数的優位の状況をつくった。これにより、SVザントハウゼンの2枚のプレスラインを突破し、攻撃へと繋げていった(図2)。


ブンデスリーガではSVザントハウゼンのように狙いをもって、プレスをしてくるチームがほとんどなので、特にディフェンスラインでは如何に数的優位を生み出して、プレス回避から前線へボールを繋げていくかが重要となる。その点では、RBライプツィヒは非常にきれいな形で相手を崩したと言える。前半20分にOrbanがセットプレーから先制したが、これ以前のコーナーキックでも何度もゴールに迫っていたため、先制するのは時間の問題であった。RBライプツィヒはOrbanを筆頭に、Simakan、Mukieleと長身の選手たちがおり、彼らが空けておいた中央のスペースにとび込んで合わせるようなスタイルであった。個人的にはありきたりな作戦ではあるが、非常に有効的であると感じた。RBライプツィヒはその後も後方からパスを繋ぎ、何度も決定機を生み出しました。そして前半終了間際には、Haidaraが追加点をとり、良い雰囲気で前半を終えることが出来た。次は後半の話をしていく。後半もRBライプツィヒペースで試合が進んでいくが、前半よりもSVザントハウゼンの攻撃が少しだけ多かったように感じた。その理由はRBライプツィヒの選手たちが徐々に疲れてきたこともあるが、試合がよりオープンな展開となり、チャレンジングなプレーが増えたことがあると考えられる。前半と同様にSVザントハウゼンはサイドからの攻撃を強いられ、中央ではAdamsを中心とするRBライプツィヒのミッドフィルダーたちにボールを回収されていた。しかし、攻撃の回数は増していたため、ゴール前でチャンスを迎えることはできていたが、ゴールキーパーのGulácsiに防がれてしまった。攻撃へ意識が向き、両サイドの位置取りが高くなったため、RBライプツィヒの両サイドバックも攻撃に参加しやすくなった。これにより、サイドバックがあげたクロスにサイドバックが合わせに行くというRBライプツィヒの攻撃の特徴が見られるようになった。後半では、Nkunkuが非常に興味深い動きをして、相手ディフェンスを撹乱した。逆サイドにボールがあるときに、あえて大外にポジション取りをすることにより、フリーになり、チャンスを生み出す時間とスペースを得ていた。また、中央の辺りにボールがあるときは、中央に寄ってきて、HaidaraやForsbergとコンビネーションを見せたり、相手センターバックの間を縦に裏抜けし、ゴールを狙った。実際、60分には中央に寄ってからの裏抜けにより相手ディフェンスを引き離し得点した。60分にはForsbergに代わり、Hee-Chan Hwangが入った。彼はForsbergとは異なり、サイドのスペースでボールを受けてからドリブルを仕掛けていく場面が比較的多かった。67分にはAdamsに代わりKonrad Laimer、André Silvaに代わりBrian Brobbeyが入りました。LaimerはAdamsと非常に似たタイプの選手なので、そんなにパフォーマンスに差はなかったです。一方、BrobbeyはSilvaとは異なり、味方とのコンビネーションを上手くこなすほど技術力はなく、フィジカル面が強みの選手であるため、裏抜けや最後の場面を刺しに行くことが多かったイメージがありました。77分にはHaidaraに代わりDominik Szoboszlai、Kamplに代わりSidney Raebigerが入りました。SzoboszlaiはHaidaraよりも攻撃的な選手であり、単純に技術力だけなら主力に選ばれるほどであると個人的に思っている。この試合では1ゴールを記録したため、スタメン入りに大きなアピールができたと思う。Raebigerはこの試合が初出場であったことに加え、出場時間が短かったため、この選手の素質を十分に見ることが出来なかった。しかし、危険になりそうなスペースを埋めて、ボール奪取に貢献していた。今後が楽しみです。
試合全体を通して、RBライプツィヒがペースを握り、力の差を見せつけたと言える。SVザントハウゼンは途中で何度かゴールチャンスがあったものの、決めきることが出来なかったため、4-0という結果になってしまった。新加入のAndre Silvaはチームに加わってから日が浅く、まだ完全にチームにフィットしていなかったため、仲間との連携がうまくいかない場面がいくつかあった。シーズンが始まり、試合を重ねるにつれて、徐々に調子が上がっていくと思う。昨シーズンのフランクフルトでのパフォーマンスをRBライプツィヒでも見せてほしいですね。

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